2018年12月5日水曜日

12月

12月1日 
市川市の信篤公民館での主催講座でのコンサートは沢山の方に来ていただきました。
男性の方も多かったのが驚きとともに嬉しかったです。
オリジナル曲の雪女、風の又三郎、岡本かの子の狐。
そして、泉村平家物語の都落ち、
最後に朗読会かま猫のメンバーも詩で参加してくれました。
楽しい一日でした。
岡本かの子さんの狐はもともと戯曲で書かれていています。
江戸時代のお話し、浪人鈴懸と二見のもとへやってくる、一人の女、
自分は狐で夫の狐がつかまっているので助けてほしい、と懇願します。
そこへ、お金が絡んでくるので、なにやら怪しい雰囲気に。
最後は霙ふるなか、ほんのり切ない幕切れになる。
今回は聞いてくださる方によって、様々な解釈ができることに気づきました。
これはやはり作品の力なのだな、と改めて思いました。
もう一度かの子さんの文をしっかり読みたくなりました。
1日、来てくださったみなさま、本当にありがとうございました。

さて、師走ですね。
少しずつ掃除にとりかかります。
来年も良い年になりますように。

2018年10月31日水曜日

横浜には坂が多い。
20才過ぎまで横浜で育った私はそのせいか、
ほとんど自転車に乗らなかった。
市川に住んで、娘が幼稚園に入ってからは自転車に乗って、
友だちの所へよく遊びに行くようになったけれど、
夕方、自転車の電灯のつけ方がわからなくて、娘のママ友に
なんてお嬢様なのか、と笑われてしまったことがある。
市川は平地だった。
自転車に乗れるのが楽しくて仕方がなかった。

最近、横浜によく来ている。
そして、坂を上り下りする。
とても疲れるけれど、小学生の頃に通った、坂の上の学校を思い出す。
そうして歩いていくうちに、身体の中に不思議な感覚が蘇る。
坂を上る感覚。
お米やさんの看板が見える。
通っていたピアノの先生の家の近くにもあった。
プラッシーっていうジュースがあった。
小さな自分、が私の身の内に蘇ってくる。

遠くに海が見える坂の町。
夕焼けの中に浮かぶ富士山。
広い公園の木の切り株には、
小人が座っているような。
そんな、秋の横浜。

11月23日 関内青少年育成センター
横浜琵琶教室の発表会があります。
2時から。
入場無料です。
是非お越しください。

2018年9月27日木曜日

彼岸花

お彼岸の日、いつもの散歩コースに彼岸花が咲いていました。
この時期に待っていたように、必ず咲くこの花。
アゲハ蝶は写真を撮られているとも知らずに、夢中で蜜を吸っていました。
この花。本当に美しい。
関ヶ原の戦い、慶長5年、9月15日といえば
徳川家康と、石田三成の戦いですが、
もう何年も前のこと、関ヶ原の地で琵琶を弾かせていただいたことが
ありました。
師匠のおともで行かせていただいたのだと思います。
その地で合戦の様子を再現するイベントがあったのです。
そう、9月でした。
その関ヶ原の彼岸花の見事だったこと。
あちらこちらに咲く彼岸花は、無念にも敗れた三成たちの軍勢の想いなのか、と
思いました。
関ヶ原からそれほど離れていないところに
滋賀県の木之元という所があります。
近くの余呉小劇場でのコンサートの際、
連れて行っていただいたのですが、
石田三成のお母さまの里ということでした。
その地は、観音様が沢山いらっしゃる土地です。
静かな静かな所です。
高台へ上れば、琵琶湖が見え、比叡山がある。
澄んだ小川には山椒魚がいる。

彼岸花の咲くころになると思い出します。

10月6日(土曜日)
母校横浜緑ヶ丘高校の同窓会、牧陵会90周年コンサートがあります。
14時開演、杉田劇場(根岸線新杉田駅すぐ)3000円。
私は蜘蛛の糸(芥川龍之介作)を琵琶で語ります。
お近くの方は是非お越しくださいませ。




2018年8月26日日曜日

時計草

ずっとクレマチスかなと思っていました。
6月終わりぐらいからかな、散歩で足をのばした時、
お目にかかる花。
つるがのびてのびて、その中にまんまるのかわいらしい花。
友人が写真を見て、パーフェクト!という。
そういえば、名前を知ってから時計にしか見えなかったけれど、
このまんまるは曼荼羅にも見える。
花ことばを調べると聖なる愛、信頼、信仰、宗教的情熱。
キリストに関係する花でもあるらしい。
わあ!すごいなあ。と、しばし感動。
小さなアパートのへいにのびているこの花。
この花を見るたび、気持ちがすくっとする気がするのはそのせいか
そのアパートの前をとことこと歩いていくと、公民館がある。
お芝居の稽古、朗読教室、琵琶の合わせ、などなど
何年もお世話になってきた、公民館。
12月にこの公民館の主催講座で琵琶を弾かせていただきます。
お世話になったこの地、公民館へのせめてもの恩返しになるといいな。
と思っています。
打ち合わせの帰り、ぴかぴかの茄子、黄色と赤のプチトマトをいただきました。
公民館の畑でとれたとか。
これぞ本当の地場産!
家の近くに沢山の宝物がある。
さて、今日の夕飯は茄子の煮びたしにしましょうか。

12月1日(土曜日)14時から
筑前琵琶弾き語りコンサート。
市川市信篤公民館。(東西線原木中山駅 すぐ)
(市川市在住、在勤の方、50名)

2018年7月21日土曜日

暑い!

今年は6月に梅雨明けをして、そして今、連日35度を超える猛暑が続いています。
いつもは8月まで冷房を入れずに頑張る私もさすがに連日冷房のお世話になっています。
夏ノ暑サニモマケズ、といえない暑さに、驚いています。
それでも汗をかかなくちゃと、近くの神社までウォーキング。
もうセミが鳴いているんだ、と汗をぬぐい歩いて行くと、
春には満開の花を咲かせた、桜の幹にセミの抜け殻が・・8つ!
そして、少し上に目をやると、
木と同化してほとんど見えない、セミ二匹(この写真です。わかりますか?)
違う種類のセミですが。
なんだか、少し空しい気持ちになったのは・・ああ、空蝉を思い出したせいかもしれません。
源氏物語の空蝉です。
衣だけを残し、あの光源氏から身をさけた女性です。
人妻であり、苦労人でもあった女性。
あまりつれなくしすぎたかしらと嘆くも、恩を受けて一緒になった夫と連れ添い、
夫亡きあとは出家し、壮年になった光源氏とは仲の良い友人になり、
晩年を過ごした、堅実な女性(ひと)。
セミが鳴く神社で、ほっとひと時、古へ思いを寄せる時間となりました。

次の日も次の日も、セミの抜け殻は落ちることなくそこにありました。
あの木で鳴いているあのセミ、
この殻は君の殻?
人間にとっては暑い夏、でもこの夏をせいいっぱい鳴いて、謳歌してね。

さあ、私も、水分、栄養、睡眠とって、乗り切らないと!




2018年6月25日月曜日

ヒメジョオン

朝方までの雨がようやく上がった日曜日、少しだけ遠くへ散歩。
雨の雫ののこるいきいきとした花々を眺めていると、青空がのぞいてきました。
とても気持ちのいい青空です。
ふと足元を見ると可憐なヒメジョオンが。
よくよく見ると小さな、小さな蜂?いや、違う、トンボの形をしています。
確かにトンボ。小さな花に糸のようなトンボ・・?
そのうち風も爽やかになって、じめじめした梅雨がうそのよう。
なんだか得をした気持ちになって帰ってきました。
帰ってきてから、あれ、この花、ほんとにヒメジョオン?とネットを開き、
ハルジオンと似てる、どっちだ、としばし、悩む。
結果、梅雨時から咲くヒメジョオンと決定(したのですが)
蜂か、とんぼか。ハルジオンかヒメジョオンか、なんだか楽しい日曜日の午後でした。
今日から梅雨の晴れ間が続くらしいのですが、
ふと見上げるとこれまたきれいな月が。
夏は夜。月の頃はさらなり。と言ったのは清少納言。
しみじみとその言葉を感じています。

7月2日、お江戸日本橋亭で小松左京さんの作品の朗読会があります。
女優の城谷小夜子さんを中心としたNPOグローバルシアター和の輪主催です。
2時からの部に私も、朗読と琵琶で参加。
お江戸日本橋亭は三越前、新日本橋、神田駅からも近いです。
是非お越しくださいね。

NPOグローバルシアター和の輪  info@wanowa.org





2018年5月28日月曜日

賢治

いつも通る道のお宅の塀から一本の大きな花が顔をだしていました。
でも、名前がわからない。
この写真の花も家のマンションの入り口の小さな木、
気になって下からのぞいたら、なんとも可憐な白い花が開いていました。
やはり名前を知らない。
そういえばクレマチス、という名前を覚えて、急に花の通になった気持ちになったのは、
いつだったのでしょう。
やはり、5月か6月だったと思います。
岩手県の釜石線の花巻市土沢という駅から少し行ったところに、
クレマチスの沢山咲くお庭がありました。
去年久しぶりに行ったら、カフェのある素敵な庭園になっていましたが、
初めて伺った時もそのクレマチスの数の多さに驚いたものでした。
そして、そのクレマチスの咲く、一角で、宮澤賢治の風の又三郎を琵琶で語りました。
花の香り、緑の木々、そして風。
そこには確かに賢治がいて、又三郎がいた、そう感じました。

どっどどどどうどどどうどどどう。
青いくるみもふきとばせ。
すっぱいかりんもふきとばせ。

この時期に懐かしく思い出します。
そういえば、賢治研究会の知人から賢治の童話に出てくる花を集めた写真集を
昨年にいただきました。
その本を拝見し、風の又三郎に出てくるさいかちの木が
家の近くの川を彩っていたことに、とても驚きました。
本当に知らないことが多いですね。
昨年、遠野で琵琶を弾いた時はすぐ後ろで白い花が散っていました。
それも賢治の歌に出てくる白雲木という名前だとその本で知りました。
はじめて見る木、美しい木でした。
花巻は、遠野は今がいい季節です。

○土沢のクレマチス・・・イーサゴナーセリー&ガーデン (及川フラグリーン)
○イーハトーブ・ガーデン  宮沢賢治が愛した樹木や草花(文・写真)赤田秀子さん
                             コールサック社




2018年4月21日土曜日

花咲き乱れ

花好きの友人が嘆いていました。
梅は遅かったけれど、その後すぐに桜が咲き、桜が咲いたとおもったら、
この暖かさで、いつもは5月に咲く花が咲きだしてしまったと。
連休は何を見にいこうかな、と。

そういえば、
道を歩いていると、或るお宅の庭先に、花みずき、あれ、奥に藤?
春もみじが真っ赤で、ぼたんの咲いている所もある。
この真っ赤なつつじも。
駅前の公園は白、ピンク、赤紫のつつじがもうすぐ満開。
いつもは桜が終わり、ちょっと寂しいな、という時に
愛らしい花みずきの花を見てほっとしていた。
それから凛とすがしい藤が咲き・・・。ぼたん、しゃくなげ・・。

そんななか、昨年春に娘がもらってきた盆栽の桜が
部屋の中で小さな花をふわっと4つ咲かせました。
蕾の時は、紅をひいたようにピンクが濃く、
咲いたら、あわい桜色。
一年間、毎朝、お水をあげていた甲斐があったな。
ということで我が家は桜が咲いています。

もうすぐに紫陽花が咲いてしまうわ、と
先ほどの友人がまた嘆きます。
ちょっと足りないぐらいがいいのは、
花も同じかな。
でもせめて今年の花の祭典、今を楽しみましょう。

盆栽の 桜はなびら 紅あわし  三紀




2018年3月1日木曜日

春近し

白梅が満開。
零れ落ちんばかりの白梅は美しい。
一足遅れて紅梅も咲き、佳い季節です。
あっという間に2月は終わり、
もう、3月になってしまいました。

12月からの母の入院にともない、
実家のある横浜に足しげく通っていたので、
あわただしい日々になりました。
横浜の赤い靴記念文化事業団主宰の
横浜市民ミュージカル「アクアの肖像」もあり、
団長をしている父も随分忙しかったことでしょう。

横浜の水や、水道の通る歴史をつづったミュージカルは
昨年の「お三」に続き
神奈川県知事も見に来てくれて、とても素晴らしかったです。

そのミュージカルの翌朝、母は亡くなりました。
入院中、痛みも苦しみもなく、
看護師さんの言葉に返事をしながら、すっと息がひけていったそうです。
あまりの穏やかさに、思わずほっとしたものです。

琵琶の活動を追っかけをして、応援してくれた母です。
そういえば、先日、娘が母と夢で℡をしたとか。
いつもの声で、
もう、皆が居て楽しくて楽しくて、と言っていたそうです。
友人と旅をしては楽しんでいた母ですから、
今、幸せなのでしょう。
温かい今日の日、心から感じます。

健やかに穏やかにまた進みます。

ぬくさの中咲く、白梅満開  三紀




2018年1月31日水曜日

青葉の森公園芸術文化ホール

蘇我駅からバスで10分ほど、おりると、大きな公園が広がっていました。
目的地の芸術文化ホールが見当たらないまま、公園を歩いて行くと、
枯れ木に鳥たちが巣をつくり、猫があちらこちらでのんびりと毛づくろい。
道々には彫刻が点在しています。
30年以上千葉に住んでいたのに、初めて来た青葉の森公園でした。
なんとか、ホールを見つけて、入って行きました。
1000人入るそのホールでは様々な公演が行われているということですが、
2月は、そこに能舞台が設置されるというので、
2月9日、師匠の会、聚の会のメンバーと、師匠も参加していただき、
能舞台でワークショップと琵琶のミニコンサートをするのです。
入場無料で、14時からワークショップです。
その打ち合わせのつもりが、すっかり公園の冬枯れの風景に
ほっこり、帰ってきました。
能や狂言の体験会もあります。
能舞台ですから、白足袋着用ですが、お近くの方は是非、体験にいらしてくださいね。
伝統芸能と、自然。なかなかいいですよ~。
今年はどんな年になるのかな。
一日、一日を大切に、いきたいです。

夕焼けに一月過ぎし日をたずね   三紀